結婚式の持込料は、式場が自分で決める料金です。ITmediaの2017年の記事によると、結婚式場の業界団体は、持込料の上限は決めておらず、業界統一のルールもないと説明しています。ドレスも引出物もカメラマンも、持ち込めるか、いくらかかるかは式場ごとに違います。だから見学の前に、公式サイトの記載で絞って構いません。

持込料は式場ごとの取り決めで決まる

持込料とは、式場が提携していない業者の衣装や引出物、写真などを自分で用意して持ち込むときに、式場へ払う料金です。

決めているのは式場です。2007年の時点で、業界団体が作る共通の約款(契約の共通ルール)は、衣装や引出物の手配を、各式場が定める細則に任せていました。細則とは、約款の下に置く、式場ごとの細かな取り決めです。

同じ年、消費者団体の京都消費者契約ネットワークが、業界団体に意見書を出しています。持ち込みを制限すれば提携先の業者が優遇されるとして、持ち込みの全面禁止や、保管の費用などの合理的な範囲を超える持込料を定めないよう、式場への指導を求める内容です。

式場の側の説明もあります。2017年、指定したカメラなどを使う人は招待客でもプロとみなして持込料を請求する、という式場の注意書きがネットで話題になりました。ITmediaの取材に、式場は外部のスナップ写真業者を入れる持込料を10万円だと説明しました。理由を問われた式場は、「式場のカメラマンを使っていただきたいので、抑止のための費用として請求しています」と答えています。

法令はどうか。国の法令検索サイトe-Gov法令検索で「持込料」「持ち込み料」を検索すると、該当する法令は0件でした(2026年10月12日)。編集部が確かめた範囲では、金額や上限を決める法令はありません。決まりがないので、平均額を知っても、見学する式場の答えにはなりません。この記事は金額の目安ではなく、式場ごとの条件を確かめる方法を書きます。

ドレス・引出物・カメラマンは、品目で扱いが分かれる

品目によって、有料にする式場の割合も、持ち込みを認めない式場の割合も変わります。式場に尋ねた調査が、その差を数字で示しています。

招待状や席次表を作る株式会社MINOMOが2010年に、約3,000の式場へアンケートを配り、129会場が答えました。持ち込みを「有料」「無料」「不可」のどれにしているか、品目ごとの割合です。

品目有料無料不可
ドレス68.8%19.2%12.0%
撮影35.2%35.2%29.6%
引出物73.4%21.0%5.6%

16年前の、回答129会場の調査です。今の割合の目安にはなりません。ドレスと引出物は有料が多数でした。撮影は有料・無料・不可がほぼ三つに割れ、不可の割合は三品目のなかで最も高くなっています。編集部が探した範囲では、品目別に式場へ尋ねた調査で見つかったのは、この一件だけでした。

ドレス

確認するのは、持込料の有無と金額、提携外のショップの衣装でもよいか、ヴェールや靴などの小物も対象になるか、です。見積もりでは、持ち込んだ衣装の着付けやヘアメイクが別料金になっていないか、サイズ直しやクリーニングを式場に頼めるかも見ておきます。

引出物

引出物は、持込料を1個ごとに数える式場があります。MINOMOの調査でも、引出物の金額は「1個あたり」と「全体」の両方で集計されていました。招待する人数が増えるほど合計が膨らむので、人数分の総額を聞いておきます。保管と仕分け、当日の搬入を誰が担うかも確認します。

カメラマン

先に10万円の持込料を挙げた式場は、友人が高級なカメラを持ち込んだだけでは請求しない、とも答えています。あくまで外部の業者を防ぐための対策、という説明です。業界団体は、機材を指定して持込料を取るやり方は、業界で一般的とまではいえないと話しました。

友人にカメラマンを頼む場合も、式場の判断で扱いが分かれます。ITmediaによると、国民生活センターには、友人に撮影を頼んでいたのに、当日「プロ」扱いされて入れないと言われた、という相談事例があります。プロの友人に頼むなら、契約前の打ち合わせで式場に伝え、どう扱われるかを確かめてください。

公式サイトの記載を集計すると

公式サイトの数字(2026年10月13日時点)。母数と算出方法は/data。

持ち込みについて公式サイトの記載を確認できた式場のうち、どれか一品目でも持ち込みを認めているのは93%です。ドレスの持ち込みに料金がかからないと書いてある式場の割合は11%です。

何も書いていない式場や、「要相談」とだけ書いてある式場は、母数(数える対象)に入れていません。持ち込めない式場として数えてもいません。この数字が示すのは、公式サイトに何が書かれているかです。見学する式場の今の条件は、見学のときに確かめてください。式場ごとのページには、公式サイトで確認した日付を添えています。

2010年の調査と並べて、増えた、減ったとは言えません。調べた相手も方法も違います。

持ち込むか、提携品にするか。決め手は合計

持込料がかからなくても、外で用意すると高くつく品目はあります。持込料がかかっても、外のほうが安く済む品目もあります。決め手は合計です。「外で用意する費用+持込料+付随する費用」と「式場の提携品の価格」を並べて比べます。

式場によっては、持ち込んだ衣装の着付けやヘアメイク、搬入や保管、サイズ直しが別料金になります。提携品にも、追加料金がかかることがあります。国民生活センターの特集(『国民生活』2019年12月号)には、衣装の相談事例が載っています。見積もりの範囲で選べる衣装は100着ほどあると説明されたが、実際はほとんどの衣装に追加料金がかかった、という内容です。持ち込みだけを疑っても、比べたことにはなりません。

手間も費用のうちです。持ち込めば、受け取りや当日の搬入、サイズが合わなかったときの対応は自分たちで抱えます。編集部の見方では、全部を持ち込む必要はありません。こだわる品目だけ持ち込み、残りは式場に任せる組み合わせでも、合計で比べれば判断できます。

確かめる順番は、見学の前、見学の日、契約の前

  1. 見学の前に、公式サイトで持ち込みの記載を探します。持ち込みたい品目の可否と金額が書いてあるかを見て、書いていない式場は、見学で聞く項目に入れます。
  2. 見学やブライダルフェアの日は、持ち込みたい品目を最初に伝えます。持込料のほかに付随する費用がないか、持ち込める業者に決まりがあるかも聞きます。その場では契約しません。
  3. 契約の前に、見積書と約款・細則を見せてもらいます。口頭で聞いた持込料の話が書面にあるかを確かめます。

業界団体は、加盟する式場に契約前の説明を通知しているといいます(ITmedia、2017年)。持込料についても、契約前に説明を求めて構いません。

その場で契約しない理由は、先の国民生活センターの特集にあります。各地の消費生活センターなどに寄せられた結婚式の相談は、2014〜2018年度で毎年度1,500〜1,800件ほどありました。相談の9割以上は、20代と30代の契約者からです。最も多いのは契約・解約の相談で、次が「最終的な支払総額が契約当初の見積金額より高額になった」などの料金の相談です。

見学当日に契約を迫られた事例も目立ちます。特集の助言は、急がされてもその場で契約せず、持ち帰って他の式場と比べること。あわせて、見積もりをこまめに出し直してもらい、どんな内容にすると追加料金がかかるのかを契約前に確認するよう呼びかけています。持込料も、見積もりに入っていなければ追加料金になります。

見学の前に数字で絞る

持込料は式場が決める料金です。金額の相場を探すより、見学する式場の条件を先に絞るほうが早く済みます。都道府県から探すなら、式場の一覧へ。持ち込みの記載を確認できた式場のページには、条件と確認日を載せています。数字の母数と算出方法はデータのページにあります。見学の日は、持ち込みたい品目の話から始めてください。

よくある質問

結婚式の持込料とは何ですか?

式場が提携していない業者の衣装や引出物、写真などを自分で用意して持ち込むときに、式場へ払う料金です。決めているのは式場で、ITmediaの2017年の記事によると、業界団体は上限を決めておらず、業界統一のルールもないと説明しています。

ドレス・引出物・カメラマンは持ち込めますか?

式場によって違います。持ち込みを認める式場も認めない式場もあり、認める場合も、有料だったり、業者や場面に条件が付いたりします。見学の前に公式サイトで確かめ、書いていなければ見学の日に最初に聞きます。

持込料がかからない式場はありますか?

あります。2010年のアンケート(129会場)では、ドレスの持ち込みを無料と答えた会場が19.2%ありました。今の割合は、本文の集計と /data にあります。公式サイトに書いていない式場は、無料かどうか分からないので、問い合わせて確かめます。

友人にカメラマンを頼めますか?

式場の判断で扱いが分かれます。2017年のITmediaの取材では、友人がカメラを持ち込んだだけでは請求しないと答えた式場がありました。一方で、友人のカメラマンが当日プロ扱いされて入れないと言われた相談事例もあります。契約前の打ち合わせで式場に伝えて確かめます。

持込料はいつ確認すればいいですか?

見学の前に公式サイトで記載を探し、見学の日に持ち込みたい品目を最初に伝え、契約の前に見積書と約款・細則で書面を確かめます。見学当日に契約を迫られても、その場では決めず持ち帰ります。