結婚式の見積もりは、最初に出た金額で終わるとは限りません。リクルートブライダル総研の2025年の調査では、見積もりより支払い額が上がった人が48.2%いました(結婚マーケット調査2025調べ)。上がった人の平均は70.4万円です。増えやすい場所は、3つに分けると探しやすくなります。人数、持込料、オプション。見学の前に、この3つを聞くことに決めておきます。そうすれば、見積もりの総額だけで式場を比べずにすみます。
見積もりより高くなった人は48.2%。上がった額の平均は70.4万円
対象は、2024年4月から2025年3月に国内で挙式、披露宴・パーティー、結婚を機とした食事会のいずれかを実施した20〜49歳の男女817人です。2025年5月に聞き、2026年1月22日に公表されました。
見積りと支払い金額の差を聞いた設問では、「見積りより金額が上がった」が48.2%、「変わらなかった」が36.3%、「下がった」が15.4%でした。年齢別では、39歳までの4つの層がどれも49.2〜53.1%で、5割前後です(24歳以下は回答57人)。40歳以上は40.5%でした。
平均は70.4万円ですが、幅があります。区分別では20万円未満が28.6%で最も多く、100万円以上の区分を足すと約26%です(区分ごとの割合を編集部が合計)。金額を答えた人の4人に1人ほどは、100万円以上上がっています。
注意点が2つあります。対象は式を挙げた人で、これから式場を探す人ではありません。また、2025年に対象がゼクシィ会員から実施者全体へ広がったため、前年までの調査とは比べられないと調査元が注記しています。
契約時の見積書にない行が、あとから足される例がある
滋賀県消費生活センターのトラブル事例(2021年3月更新)に、20歳代の女性の相談があります。予算を伝えて見積もりを取り、予算内で挙式できると説明されて契約しました。ところが打ち合わせが進むと、ウェディングドレスの追加費用やオプション代など、説明になかった話が出てきました。最終的には、契約時の見積金額より100万円以上高くなったそうです。
これは1件の相談で、全体の傾向ではありません。ただ、契約時の見積書に入っていない行が、打ち合わせのなかで足されていった一例です。岐阜県県民生活相談センターの注意喚起(2018年6月)にも、契約時の見積もりと比べて大きな変更がないのに、最終的な支払い額が高額になったトラブルが挙がっています。
結婚マーケット調査2025は、費用の内訳も聞いています。パックプランの費用(費用が発生した人の平均で148.9万円)とは別に、挙式料、衣裳、会場装花、司会、撮影などが費目に並びます。パックに何が含まれ、何が別の行になるかは、式場によって違います。パックの金額だけを見ると、総額を低く見てしまうことがあります。
人数、持込料、オプションという3つの分け方は、編集部の整理です。
人数が変わると動くのは、料理・飲み物・ギフト
調査は費用の内訳を、「招待客人数によって変動する費目」と「変動しない費目」に分けています。変動するほうに入るのは、料理と飲み物(平均57.6万円)とギフト(平均14.7万円)です。どちらも、その費用が発生した人の平均です。
見積書に1人あたりの単価が書いてあれば、人数が増減したときの総額は自分で計算できます。書いていなければ、料理、飲み物、ギフトの1人あたりの単価を式場に聞きます。
総額を招待客数で割った一人当たりの費用は、同じ調査で平均7.3万円でした(挙式と披露宴を1回ずつ実施した人)。ただしこれには、挙式料や衣裳など人数に関係しない費用も入っています。
見積書の人数が今の予定と合っているか、減らしたときに料金がどう変わるかも聞いておきます。
持込料は式場と品目で違う。「持込可」の中身を見る
持込料(持ち込み料)は、外で手配したドレス、引出物、装花、カメラマン、ケーキなどを式場に持ち込むときに、式場が決めている料金です。可否も金額も、式場ごと、品目ごとに違います。
公式サイトの数字(2026年10月13日時点)。母数と算出方法は/data。当サイトが公式サイトを確認した式場のうち、持ち込みの可否が読み取れたものを数えました。いずれかの品目で持込可と書かれていたのは、その93%です。「要相談」など、可否が読み取れない式場は対象外です。この割合は、持込を認める式場の割合で、持込料がかからない式場の割合ではありません。可と書いてあっても、品目ごとに料金と条件が分かれます。
結婚マーケット調査2025には、ドレスの持ち込み費用の数字があります。持ち込み費用が必要だった人の平均は1着あたり4.3万円で、6万円未満が約87%でした。ただし回答数は集計上の補正後で26と少なく、目安にとどめてください。
外で手配するときは、その金額に持込料を足した合計を、式場のプランの金額と並べて比べます。式場には品目ごとに、持込の可否、料金、料金の単位(1着ごと、1点ごと、1回ごとなど)、条件を聞きます。条件とは、たとえば提携先に限るか、事前の申請が要るか、といったことです。
オプションは、基本の見積もりと別に金額をもらう
オプションは、基本のプランに入っていない追加の行です。調査の費目には、衣裳、ブーケ、会場装花、司会、撮影、ウエルカムアイテム、映像を使った余興や演出が、パックプランとは別に並びます。費用が発生した人の平均は、妻側の衣裳総額が14.1万円、司会が19.1万円、スナップ撮影が14.7万円、ビデオ撮影が16.0万円です。
見学で渡される見積もりが、基本のプランだけの金額か、追加を含む金額かは、聞かないと分かりません。式場には2つ頼みます。ひとつは、基本のプランだけの見積もり。もうひとつは、「このプランを選んだ人が、あとから足すことの多いものを、金額つきで挙げてください」という依頼です。
税込か税別か、サービス料が含まれているかは、欄外の注記まで読みます。打ち合わせのたびに、更新した見積書をもらいます。愛知県の注意喚起(2016年3月)も、こまめに見積りを依頼して支払総額を把握するよう勧めています。
自己負担は、増える分を入れた総額から考える
自己負担は、総額からご祝儀(会費制なら会費)を引いた額です。見積書の総額は、ご祝儀を引く前の数字です。
調査では、挙式と披露宴を1回ずつ実施した人の自己負担額の平均が158.9万円でした。ご祝儀制だった人では、ご祝儀総額の平均が187.1万円です(回答数は補正後でどちらも90前後)。自己負担額の幅は広く、0円以下の人が11.4%、400万円以上の人が4.3%います。親や祖父母の援助を挙式、披露宴、食事会に使った人は48.0%で、使った金額の平均は106.1万円でした(金額を答えた人)。
自分たちで用意するお金は、「見積書の総額 + 増える分 − ご祝儀の見込み − 援助」で考えます。増える分は、平均の70.4万円をそのまま足さず、人数、持込、オプションを自分の見積書で確かめて金額を置きます。そのほうが、自分たちの予算に近い数字になります。
総額の平均や地域差は結婚式の費用相場にあります。式場への支払いが式の前か当日か後かも聞いておきます。ご祝儀を支払いに充てるつもりなら、先に確かめてください。
見学の前に、費用と条件で絞っていい
滋賀県消費生活センターは、式場の見学では気持ちが高ぶって冷静な判断が難しくなる、と書いています。同じページには、ブライダルフェアの相談もあります。「今日申込をすると割引になる」と勧められて申込金10万円を払い、数日後にキャンセルを申し入れたら、返金できないと言われたそうです。助言は、契約を急がされても、その場で署名も支払いもせず、見積書を持ち帰って検討することです。
契約のあとにやめると、お金がかかる場合があります。岐阜県県民生活相談センターは、結婚式場で結んだ契約にクーリング・オフ(無条件解約)は適用できないと説明しています(2018年時点)。日本ブライダル文化振興協会が2024年4月に消費者庁へ出した資料では、消費者トラブルの多くが、契約成立直後の解約の申し出でした。同じ資料によると、モデル約款の解約料は、見積額に項目ごとの平均的な利益率を当てた利益額と、手配済みの実費が元になります。解約料の決め方は、契約の前に約款で確かめます。
見学の席では冷静に判断しにくいので、比べる軸は見学の前に決めておくのがよいと編集部は考えています。見学で聞くことは、3つです。
- 見積もりの前提の人数と、人数が増減したときの料金
- 持ち込みたい品目ごとの、可否・料金・単位・条件
- 基本のプランに入っていない、あとから足されることの多いものと、その金額
増える場所を先に知っておけば、見学で受け取った金額を自分の条件に直して比べられます。
見学に行く前の絞り込みには、式場の一覧を使えます。地域を選び、各式場のページで費用の目安(前提の人数つき)、持込、収容人数を取得日つきで見比べて、数件に絞ります。集計の母数と算出方法は、データのページにあります。
よくある質問
結婚式の見積もりは、どれくらい上がりますか。
結婚マーケット調査2025では、見積もりより支払い額が上がった人が48.2%、変わらなかった人が36.3%、下がった人が15.4%でした。上がった人の平均は70.4万円です。金額を答えた人では、20万円未満が28.6%、100万円以上の区分を足すと約26%と、幅があります。
見積もりが増えやすいのは、どの部分ですか。
編集部は、人数、持込料、オプションの3つに分けて見ています。人数が変わると、料理と飲み物、ギフトの金額が動きます。持込料は式場ごと、品目ごとに可否と金額が違います。オプションは、基本のプランに入っていない衣裳、装花、撮影、司会、演出などの追加の行です。
持込料はどう確認すればよいですか。
品目ごとに、持込の可否、料金、料金の単位、条件を聞きます。持込可と書いてあっても、持込料がかからないとは限りません。ドレスは、持ち込み費用が必要だった人の平均が1着あたり4.3万円でした(回答数が少なく目安)。外で手配した金額に持込料を足して、式場のプランと比べます。
結婚式の自己負担はどう計算しますか。
総額からご祝儀(会費制なら会費)を引いた額が自己負担です。調査(挙式と披露宴を1回ずつ実施した人)では、自己負担額の平均が158.9万円で、0円以下が11.4%、400万円以上が4.3%と散らばります。自分たちで用意するお金は、見積書の総額に増える分を足し、ご祝儀の見込みと援助を引いて考えます。
見積書をもらったら、その場で契約してもよいですか。
県の消費生活の窓口は、その場で決めず、持ち帰って検討するよう勧めています。滋賀県消費生活センターは、契約を急がされても、その場で署名も支払いもせず、見積書を持ち帰るよう助言しています。岐阜県県民生活相談センターは、結婚式場で結んだ契約にクーリング・オフは適用できないと説明しています(2018年時点)。




